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プロフィール

プロ野球選手→料理人→フィットネスインストラクター・・・・
とちょっと変わった経歴を持つ運動指導員。
現在「ルネサンススポーツクラブ」その他でアドバイザー契約を歴任。
現場指導を続けるかたわら、全国規模でフィットネスインストラクターを対象とした各種セミナーを講演するなど、エネルギッシュな活動を展開している。

2008年04月17日

エピソード44 上海編 その参

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1)有形〜無形
 大切な事は多くの場合、目に見えない・・・よく聞く訓戒です。
 精神活動や心のあり方など無形なものが大切だけれど、現世ではともすると、有形なものに執着せざるを得ない事が多すぎることへの戒めともいえます。実は僕は目に見えない領域に没頭するあまり、目に見える領域で生活する人々と接することが多かった時代がありました。生活シーンで直面している感覚や思考パターンから、大凡かけ離れた「内観」を深めることに終始する「修行」に打ち込む方々と共にした生活でした。今思えば得がたい経験をさせていただいたと思っています。そんな記憶がふと思い起こされるのが、また上海という土地の力なのでしょう。
 上海も他の中国都市同様、朝一番の広場では太極拳が盛んです。そして太極拳と同様に盛んなもの・・・それは気功です。えっ?「太極拳」と「気功」は違うのかって?確かにいずれも実践されている方でなければ分からないかもしれませんね。
 それではご説明いたしましょう・・・「気功」というのは呼吸法を用いた健康運動ですが、太極拳は「武術」です。もちろん太極拳も呼吸法を重視して行えば「気功」としての効果も得られます・・・という認識が中国では一般的です。健康運動として太極拳動作を取り組む時、いくつか動作の変更が出てくるものの、やはり構成上、太極拳=気功とはなりませんのでお間違いのないように。
 さて気功に関してですが、人の気の流れを調節する「外気(ガイキ)」と、自分自身の気の流れを調節する「内気(ナイキ)」の2つがあります。スポーツブランドの名前でもなければ、「うちき」とも呼ばないようにしてくださいね。(いないってそういう人は・・・)

2)あぶりだし
 「気」って見えないし、本当にあるのですか?・・・・よく聞かれる質問です。
 この是非は僕が押し付けるものではありません。ご自身で感じ取ったままに考えてください。僕から言えることと言えば、
「“気”とはあぶり出しの様なものですね〜」ということでしょうか?
その心は・・・・
「みかんの汁は透明だから、紙に塗っても目にみえません。しかし、みかんには酸が多く含まれているために、しぼり汁を塗った部分は何も塗っていない部分に比べ、火にかざした時にこげやすくなる・・・結果、目に見えるものになるわけだけれど、人は目に見えた段階で、これを“科学”と呼ぶようになる。」ということでしょうか。
 いつの日か“気”が目に見えるものになる・・・科学になると面白いでしょうね。ちなみにみかん、レモン、グレープフルーツなどの柑橘類はリモネンという油が含まれ、これはプラスチックやゴムなどを溶かす力があることがわかっています。その分解力の高さを活用すると「洗剤」にもなりますが、昔の人は果たしてみかんを見て「洗剤」とは思わなかったでしょう・・・世の中、目に見えない不思議だらけ・・・です。

投稿者 Melody : 17:52

2008年04月01日

エピソード43 上海編 その弐

1)瀉血針(しゃけつばり)
 「何が起きるんだぁ・・・。やはり日本人向けの医療緊急センターにすればよかったぁぁぁ」まさに後悔先に立たずの図。
 「中村先生!(あのぅ・・・このタイミングで解説するのもなんですが、僕みたいな者でもクライアント企業の日本人を、中国の企業の方はよく“先生”と呼ぶようです)脚の力緩めて下さい」。 聞き取りづらい李峰の声が耳に届くけど、こんな状況ではリラックスできないでしょ・・・普通!
 なんてツッコむ間もなく「ズ〜ン」と大腿部前面に激痛が走る・・・。しかもズーンのところを更に今度はグリグリしているぅ〜・・・。これは針だなぁ・・・。腹は痛いわ、脚も痛いわ、動かないように掴まれている所も痛いわ、の三重苦!何も白状することないのに思わず「わかったぁ、話すから〜」って言いたくなる悶絶針地獄。何分ぐらい続いたのだろう・・・。実際は僕の感じた何十分の一の時間だったのかもしれないけれど、えらく長い時間刺されていた感じがする。針の動きが止まって患部がやっと目に入る。長〜い針が脚に突き立てられ、その先から血がトロトロ流れ出ているのが見えた。いわゆる「瀉血(しゃけつ)針」と言って悪い血を抜く方法は聞いた事がありましたが、まさか体験できるとは思いませんでした。
そして・・・その後が驚きです。恐怖と痛みから開放された安堵感と羽交い締めにされた時に体力を消費し切ったせいでしょうか。半日爆睡して目覚めた時は、お腹の痛みなどはウソの様に消えていました。もっともその代わりに針を打たれた大腿部が今度はじんじんと・・・。
 でもなぁ・・・。僕は針嫌いじゃないから、先に言ってくれたらあんな恐怖は味わわなくてもすんだのに・・・。とも思いました。痛かった〜ぁ。 

2)プラシーボ効果
 信頼しているお医者さんに「この薬を飲んで安静にしていれば、だんだん良くなってきますよ。」と言われると、仮にそれが「砂糖水」であっても効いてくる・・・。こういった心理現象を「プラシーボ」と言いますが、人間の身体はあらゆる局面でこれを見せてくれます。逆に針に抵抗感のない僕みたいな人間であっても不安な状況下では痛みが倍増することだってあるのですから、そのモノが良い悪い、という前にそれを提供してくれる人の在り方や環境設定が大切だと痛感します。
 僕は小さい頃病弱だったので、よく町のお医者さんの所におばあちゃんに連れて行かれました。ある日、初老の女性の先生が僕を診察してくれた際にこう言いました。「学校でアルカリと酸性を調べるリトマス試験をしたことがあるでしょう? 人の消化作業は口で始まるのだけれど、食べ物は口の中ではアルカリ性の消化液、胃は酸性の液、小腸はまたアルカリ性の液で迎えられて最後は酸性の便にするの・・・。酸性とアルカリ性が上の歯と下の歯の様に交互に食物を消化していくからよく分解できるのよ。あなたは腸が弱いから、まず自分の歯でよく噛みなさい。そうすると後は消化液の“歯”がよく噛んで、よ〜く消化してくれるからどんどん体が強くなるわよ。」と。
 何とわかりやすく、子供の心を掴む説得力でしょう。僕はすぐに実行しました。その日から食材を一回噛む毎に自分が強くなっていく気がしてならなくなったのです。その時点からでしょうか・・・、僕の体が急激に進化し始めたのは。もちろん咀嚼が大切なことは幼児でも知っている事ですが、頭ではなく、それを“心”でわからせることはなかなか難しいことです。後になってその方は院長のお母様で、栄養士ということを知りました。白衣を着ているのはお医者様だという心理が働いたのも事実ですが、やはり“食材の力”を信奉している方の言葉は「プラシーボ効果」を発揮するのに十分な説得力がありますね。お腹が痛い時は信頼している先生に「おなか」を撫でられながら「これは補法といって効果的な手技なのですよ」と言われた方が、痛〜い瀉血針より早く鎮静したかもしれませんね。

投稿者 Melody : 10:26